「不妊治療=体外受精」というイメージを持っていませんか?
実は、もっと自然に近い方法で妊娠を目指せる人工授精(AIH、またはIUI)という選択肢があります。
体外受精よりも身体的・経済的負担が少なく、ライフスタイルに合わせた治療が可能な人工授精。
この記事では、人工授精の概要から対象となる方、治療の流れ、費用、注意点までわかりやすくご紹介します✨
人工授精(AIH/IUI)とは
人工授精(AIH:Artificial Insemination by Husband、またはIUI:Intrauterine insemination)は、排卵のタイミングに合わせてパートナーの精子を子宮内に注入する治療法です。
精子は専用の方法で洗浄・濃縮され、より妊娠しやすい状態で子宮内に届けられます。
施術は10〜15分程度で完了し、注射や麻酔も不要。
“人工”という名称とは裏腹に、受精・着床・妊娠のプロセスは自然妊娠と同じで、赤ちゃんや母体への影響も自然妊娠と変わりません。
人工授精(AIH/IUI)はどんな人に向いている?
人工授精は、以下のようなケースで選ばれることが多い治療法です。
・タイミング法で6周期以上妊娠に至らなかった方
・精子の数・運動率がやや少ない(軽度の男性不妊)
・ヒューナーテスト(性交後試験)で合格しなかった場合
・性交が困難または不可能な場合(ED・射精障害など)
・35歳以上で早めの妊娠を希望している方
・年齢に比べてAMH値が低い方
人工授精は、仕事や日常生活と両立しながら治療が進められることも魅力です。
人工授精の流れは?
検査から当日までのスケジュール
人工授精は排卵の時期に合わせて行われます。以下は一般的なスケジュールの例です。
《月経1日目》
・生理開始日にクリニックへ連絡
→ 排卵時期に合わせてスケジュールを調整します。
《月経2日目》
・初回通院・超音波検査
→ 子宮内膜や卵巣の状態を確認します。
→ IUI希望者は、必要に応じて血液検査も実施。
・薬や注射による排卵誘発の開始(内服や注射など)
《排卵予測期(生理10〜14日目前後)》
・経膣超音波で卵胞や子宮内膜の厚さをチェック
・頸管粘液や尿中LH検査で排卵時期を予測
・必要に応じて血中ホルモン測定(採血)を実施
→ 排卵のタイミングが確定したら、排卵を促すhCG注射を治療日前日などに実施
《人工授精当日》
・精子を洗浄・濃縮処理(Percoll法やSwim-up法など)
・子宮内に精子を注入(処置時間は約10〜15分)
・処置後5〜10分安静後に帰宅可能
《当日もしくは翌日以降》
・排卵確認後、黄体ホルモン補充(内服または注射)を行い、着床をサポートします。
処方される一般的なお薬
人工授精(IUI)の治療においては、排卵誘発やホルモンの調整を目的とした薬が使われることがあります。以下は、不妊治療クリニックでよく処方される薬の一例です。
Ovamit 50mg(飲み薬)
・有効成分:クロミフェン
・効果:排卵を誘発するために使用されます。卵胞の成長を促し、排卵のタイミングを調整する目的で、生理周期の初期(通常は生理2~5日目から)に服用されます。
Puregon(注射)
・有効成分:フォリトロピンβ(FSH製剤)
・効果:卵胞刺激ホルモンとして、複数の卵胞を同時に育てるために使用されます。自己注射で使用されることが多く、排卵誘発の補助として用いられます。
Pubergen(HCG注射)
・有効成分:ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)
・効果:成熟した卵胞に排卵を促すために使用され、IUIの実施タイミングを正確に合わせるのに役立ちます。通常、排卵直前に注射されます。
Duphaston(飲み薬)
・有効成分:ジドロゲステロン(黄体ホルモン類似物質)
・効果:排卵後に内膜を安定させ、着床をサポートする目的で使用されます。黄体機能の補助として、排卵後に一定期間服用されます。
タイミング法・体外受精との違いは?
人工授精は、「タイミング法よりも妊娠率を上げたい」と考えている方にとって、無理なく取り入れやすい選択肢です。
気になる妊娠率と治療回数の目安は?
人工授精による妊娠率は、年齢や不妊原因によって異なりますが、平均で1回あたり10%前後とされています。
一般的には6回ほど試して妊娠に至らない場合、体外受精などへのステップアップを検討することが推奨されています。
注意点・リスクはある?
人工授精は安全性の高い治療法ですが、以下のような注意点があります。
・子宮の入り口に軽い痛み・出血が出る場合あり
・稀に感染症・腹膜炎が報告されている(抗生物質で予防)
・当日は飲酒・入浴・性行為・激しい運動は控えましょう
マレーシアにおける人工授精の現状
マレーシアでは人工授精は不妊治療の初期段階として広く行われており、費用は1回あたりRM1,600〜3,500(約5万〜11万円)程度とされています。
※RM1=JPY33.82(2025/6/7現在)
成功率は治療1周期あたり10〜20%とされ、年齢や体調によって異なります。国内では軽度の男性不妊や排卵障害、原因不明の不妊などに対して人工授精が選択されることが多く、複数の専門クリニックが対応しています。
なお、公的医療保険や政府の助成制度は基本的に存在せず、治療費は原則として自己負担となっていますが、マレーシア在住の方はEPF(従業員積立基金)の医療アカウントから費用を引き出して治療に充てることが可能です。
まとめ:負担の少ない“次のステップ”としての人工授精
人工授精(AIH/IUI)は、体への負担が少なく、自然な妊娠の流れを活かした治療法です。
「タイミング法で結果が出なかった」「年齢的に早く妊娠したい」
──そんな方にとって、無理のない選択肢になり得ます。
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参考情報
- アイブイエフ詠田クリニック 排卵誘発と人工授精|(n.d.)
- 小川クリニック 人工授精の流れ |(2024年)
- IVF Bridge - Intra-Uterine Insemination (IUI)|(n.d.)
- MedSurge India -IUI treatment cost in Malaysia|(n.d.)
- Doctor on call -Ova-mit 50mg tablet|(n.d.)
- コウノトリ生殖医療センター 薬剤の使用方法|(n.d.)
- Apollo pharmacy - pubergen 5000IUI injection|(n.d.)
- くすりのしおり デュファストン錠5mg
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